
布団に入ってもなかなか眠れなくて、気づいたら時間だけ過ぎてしまうんです。
朝も頭が重くて、正直つらくて…。

寝つきの悪さは、体の内側の状態が関係していることもあります。
寝つきが悪い状態が続くと、睡眠時間そのものが短くなり、朝のだるさや疲労感につながりやすくなります。
まず大前提として、睡眠は「質」よりも先に「量」を確保することが大切です。就床時間が極端に短い場合、体を十分に休ませることはできません。
そのうえで、「なかなか寝つけない」「途中で目が覚める」といった悩みがある場合には、睡眠の質に目を向けることで、改善のヒントが見えてきます。
近年、その質を支える土台のひとつとして、腸内環境という視点が注目されています。
腸は消化吸収だけでなく、神経やホルモンを介して脳と情報をやり取りする臓器です。
寝つきの悪さを感じる背景として、腸のコンディションが関わっている、という考え方が有力です。
【なぜ腸が関係する?】眠りやすさを左右する「腸×脳×自律神経」の仕組み
腸と脳が相互に影響し合う関係は、腸脳相関と呼ばれています。
腸は単なる消化器官ではなく、全身のバランスを調整する役割の一部を担っていると考えられています。
また腸は、自律神経の影響を強く受ける臓器でもあります。
自律神経は、日中の活動モード(交感神経)と、夜の休息モード(副交感神経)を切り替える役割を担っています。
腸に張りや不快感がある場合はもちろんですが、自覚症状がなくても、腸内細菌の働きが乱れていると、体がリラックスしにくくなり、眠りに入りづらくなることがあります。
そのため、寝つきの悪さを考える際には、腸の状態を切り離して考えることはできません。
睡眠ホルモン「メラトニン」の材料は腸で作られている
メラトニンは、夜になると分泌が高まり、眠気や睡眠リズムに関わるホルモンです。
このメラトニンの材料となるのがセロトニンで、セロトニンの多くは腸で作られていることが知られています。
つまり、腸の状態が整うことは、睡眠ホルモンの流れを支える土台になる、ということになります。
腸が直接「睡眠ホルモン」を作り出しているわけではありませんが、眠りに入るための体内環境を整えやすくする存在として捉えると、理解しやすいでしょう。

近年では、腸も間接的に睡眠の土台を支えていると考えられています。
腸内細菌が体内時計を整える働き
体内時計は、約24時間周期で、眠気や体温、ホルモン分泌などを調整する仕組みです。
このリズムが乱れると、夜になっても眠気が訪れにくくなったり、朝の目覚めがつらく感じたりすることがあります。
腸内細菌が作り出す短鎖脂肪酸は腸のエネルギー源として知られていますが、近年では体内時計に関わる経路へ影響を及ぼす可能性を示唆する研究も報告されています。
食事の内容やタイミングが腸内細菌の働きを通じて体のリズム感覚に影響するという流れは、日常生活の感覚としても理解しやすい考え方といえるでしょう。

眠りにくくなる背景には、腸内の働きも関係していると考えられています。
睡眠不足と腸内環境が影響し合う悪循環
睡眠不足が続くと、食欲を抑えるホルモンの分泌が低下し、食事内容が乱れやすくなることが知られています。
甘いものや刺激の強い食事が増えることで、結果として腸内細菌のバランスも崩れやすくなります。
腸内細菌のバランスが崩れて腸の張りやガス・不快感があると、自律神経も崩れてさらに寝つきが悪くなる人もいます。
このように、睡眠と腸はどちらか一方だけを整えればよいものではなく、互いに影響し合う関係として捉えることが大切です。

寝不足が続くと、生活全体が崩れやすくなりますよね…。
【今日からできる腸活】腸から整える睡眠改善の3つのポイント
いきなり生活を大きく変える必要はありません。
簡単にできるところから、少しずつ始めていきましょう。
朝の習慣が夜の眠りを支える
朝の過ごし方は、自律神経や体内時計(体内リズム)を整えるうえで重要な役割を担っています。
特に、
・起床後に朝日を浴びること
・朝の食事にトリプトファンを含む食品を摂ること
これらは、体内時計を整える基本的な習慣として知られています。
トリプトファンは、日中にセロトニンへと変換されたあと、夜になると睡眠ホルモンであるメラトニンの材料になります。
そのため、朝に摂っておくことで、夜の眠りに向けた準備が進みやすいと考えられています。
トリプトファンを含む食品の例
- 卵
- 納豆
- ヨーグルト
- 豆腐
- バナナ
これらを朝食に一品取り入れるだけでも、無理なく続けやすいでしょう。

朝日を浴びて、朝ごはんを少し意識するだけなら、続けられそうですね。
食物繊維と発酵食品で腸内細菌を支える
腸内環境のバランスを整えるためには、発酵食品を「取り入れる」だけでなく、食物繊維で腸内細菌を「育てる」という視点が大切です。
なかでも発酵性食物繊維は、腸内環境を整え、体内時計を整える短鎖脂肪酸の材料になりやすいと考えられています。
たとえば、
・味噌汁にわかめを加える
・主食をもち麦に置き換える
など、日常の中で無理なく取り入れられる方法から始めてみましょう。
一度に量を増やしすぎるとお腹が張ることもあるため、体の反応を確かめながら、少しずつ続けることが基本です。

いつもの食卓に一品、食物繊維をプラスするところから始めましょう。
寝る前の過ごし方が腸と脳を休ませる
夜は、体を休息モードへ切り替える大切な時間です。
とくに、スマホやパソコンの強い光や情報は交感神経を刺激しやすく、腸や脳を休ませにくくします。
・寝る1時間前からはスマホやパソコンを避ける
・間接照明の中で読書をする
など、光の刺激を減らす工夫が役立ちます。
なおみさん:それなら、今日からでもできそうです。

ベッドの中でついスマホを見てしまう習慣が、夜更かしにつながっていたんですね・・・。
【まとめ】腸を労わることが明日の元気を作る

睡眠って、ストレスや年齢のせいだけじゃなかったんですね。

腸を整えることは、眠りの土台を整えることでもあります。
続けられる形で腸内環境を整えていくと、寝起きがスッキリするような睡眠がとれますよ。
睡眠の量や質は、生活習慣が重なって決まります。
その中で、腸を整えるアプローチは、日常に取り入れやすい選択肢です。
まずは、
・朝日を浴びる
・朝にトリプトファンを含む食品を一品足す
・寝る前の刺激を少し減らす
この3つから、無理のない形で始めてみてください。
