「食事制限しても痩せにくい」人が増えている理由

食事量を減らしているのに体脂肪が落ちにくくて…。
頑張って歩く量を増やしたりもしているのに、前ほど変化を感じないんです。

最近は「頑張ってダイエットしているのに結果が出ない」と感じる方がとても増えています。
食事量を減らしても体脂肪が落ちない。
運動しても思ったほど変化が出ない。
年齢とともに、以前より「燃えにくさ」を感じる。
こうした悩みは、努力不足が原因とは限りません。
実は、脂肪を燃やす「仕組み」そのものが、うまく働いていない可能性があります。
ダイエットというと「食べる量」や「運動量」に意識が向きがちですが、腸内環境が代謝に深く関わっていることが分かってきています。
【短鎖脂肪酸とは?】腸が作る「天然の燃焼サポーター」
短鎖脂肪酸とは、人が消化できない食物繊維などを、腸内細菌がエサとして分解・発酵する過程で作られる物質です。
短鎖脂肪酸の代表的なものには、
- 酪酸
- 酢酸
- プロピオン酸
などがあります。
これらはサプリとして摂るものではなく、腸内で作られることが最大の特徴です。
日々の食事や生活習慣の積み重ねによって腸内で作られる、代謝を支える物質と考えると理解しやすいでしょう。
のではなく、ダイエット効果を継続させる環境を内側から整える存在と言えるでしょう。

短鎖脂肪酸は、外から足すものではなく、体の中で育てていくものです。
【なぜ痩せやすくなる?】短鎖脂肪酸の4つの働き
短鎖脂肪酸は、直接脂肪を減らす魔法の物質ではありません。
しかし、体を太りにくい方向へ導く仕組みに関わっていることが示唆されています。
脂肪の蓄積を抑え、燃焼を促す方向へ
短鎖脂肪酸は、脂肪が過剰に蓄積しにくい状態をサポートし、脂肪燃焼が起こりやすい環境づくりに関与すると考えられています。
食欲を抑える腸管ホルモンとの関係
短鎖脂肪酸(とくにプロピオン酸)は、食欲を抑えるホルモン(GLP-1)の分泌と関係していると言われています。
これにより、自然と食べ過ぎを防ぎやすくなります。
基礎代謝・エネルギー消費を支える
短鎖脂肪酸は、腸や全身の細胞にとってのエネルギー源にもなり、結果として、効率のよい代謝を支える土台になります。
血糖コントロール・代謝全体への影響
血糖値の乱高下が起こりにくい状態は、脂肪がつきにくい体づくりにつながります。
なおみさん
「体重を減らすというより、「太りにくくなる」感じなんですね。」

体重を減らすというより、「太りにくくなる」感じなんですね!

その通りです。短鎖脂肪酸は、体重より「体質」に関わる存在ですね。
【菌のリレー】腸内で行われている分業と、痩せない理由
短鎖脂肪酸は、一種類の菌だけでは作れません。
腸内では、3段階の分業(リレー)が行われて、短鎖脂肪酸の作成が行われています。
・第1段階:糖化菌・納豆菌など
食物繊維を分解し、次の工程に使われる「糖」を作ります。
・第2段階:乳酸菌・ビフィズス菌
糖を乳酸や酢酸に変えます。
・第3段階:酪酸菌など
乳酸・酢酸を材料に、最終的な短鎖脂肪酸を完成させます。
このリレーが途中で止まると、第1段階で作られた糖がそのまま吸収され、太りやすさにつながる可能性があります。

菌はチームプレーです。誰かが欠けると、効率よく短鎖脂肪酸を作成できません。
【食材戦略】短鎖脂肪酸を増やすための食事の考え方
短鎖脂肪酸を作る菌を含む食材
- 第1段階:納豆菌・糖化菌を含む食材
納豆、味噌、甘酒(米麹由来・無加糖)、ぬか漬け(少量) - 第2段階:乳酸菌・ビフィズス菌を含む食材
ヨーグルト、発酵食品(キムチ、ぬか漬け、塩麹) - 第3段階:酪酸菌を含む食材、また酪酸菌の餌となり、酪酸菌を増やす食材
ぬか漬け、たくあんなどの発酵した漬物、海藻、ごぼう、玄米
短鎖脂肪酸を作るうえで補強したい栄養素
・レジスタントスターチ
レジスタントスターチは食物繊維と同様に、腸内細菌のエサになります。
ご飯や芋類は、一度冷めることで「難消化性デンプン(レジスタントスターチ)」が増えます。
・水溶性食物繊維
サラダに多い不溶性食物繊維よりも、水溶性食物繊維のほうが、菌のエサになりやすい傾向があります。
・ビタミンB1
短鎖脂肪酸を作る流れの中で、意外と見落とされがちなのがビタミンB1です。
酪酸菌は、ビタミンB1を自力で作れないとされており、不足するとリレーが回りにくくなる可能性があります。ビタミンB1を含む食品の例としては、
- 豚肉
- 大豆
- ごま
などがあります。
なおみさん
「腸活って、食物繊維だけ気にしていればいいと思っていました…。」
腸活先生
「実は、栄養素の裏方もとても大切なんですよ。」
【食材まとめ】短鎖脂肪酸に特化した食材例
短鎖脂肪酸を作る各段階に必要な食材と、補強したい栄養素を含む食材が下記です。
各段階から1〜2種類ずつ選び、無理のない量で続けることが、短鎖脂肪酸を増やす近道です。
第1段階|糖を作る菌(納豆菌・糖化菌など)
| 食材 | 注釈 |
|---|---|
| 納豆 | 納豆菌を含み、菌のリレーをスタートさせる第一走者として使いやすい |
| 味噌 | 発酵過程で糖化菌が関与し、第1段階を支える伝統的な発酵食品 |
| 甘酒(米麹・無加糖) | 米由来の糖質が分解されており、糖化の入口として取り入れやすい |
第2段階|乳酸・酢酸を作る菌(乳酸菌・ビフィズス菌)
| 食材 | 説明 |
|---|---|
| ヨーグルト | 乳酸菌・ビフィズス菌を含み、第2段階を担う代表的な発酵食品 |
| キムチ(非加熱・無添加) | 乳酸菌を含み、糖を乳酸・酢酸に変える工程を補助する |
| ぬか漬け | 乳酸菌を含み、第2〜第3段階の両方に関与する可能性がある |
| 塩麹 | 発酵由来の菌や酵素を含み、腸内環境の多様性を補う素材 |
第3段階|短鎖脂肪酸を完成させる菌(酪酸菌)とその餌
① 酪酸菌を含む食品
| 食材 | 注釈 |
|---|---|
| ぬか漬け(無添加・伝統製法) | 酪酸菌を含む可能性があり、最終段階の菌を補助する食材 |
※酪酸菌は「食品から大量に摂る」よりも、腸内で育てることが基本とされています。
② 酪酸菌の餌になる食品(発酵性食物繊維)
| 食材 | 注釈 |
|---|---|
| 海藻 | 水溶性食物繊維が豊富で、酪酸菌のエサになりやすい |
| ごぼう | イヌリンを含み、発酵性食物繊維の代表例 |
| 玄米 | 食物繊維とレジスタントスターチを含む主食素材 |
| もち麦・大麦 | βグルカンを含み、短鎖脂肪酸産生と関係が深い |
| オートミール | 水溶性食物繊維が多く、腸内発酵が起こりやすい |
| 全粒粉パスタ | 精製度が低く、発酵性食物繊維を含む主食 |
| 冷やしたご飯(冷や飯・おにぎり) | 冷却によりレジスタントスターチが増え、菌の餌になりやすい |
野菜・果物由来の発酵性素材(補助的)
| 食材 | 注釈 |
|---|---|
| 玉ねぎ | フルクタンを含み、腸内細菌の発酵基質になりやすい |
| アスパラガス | イヌリンを含み、発酵性食物繊維の供給源 |
| にんにく(少量) | 発酵性糖質を含み、菌の活動を支える可能性がある |
| かぼちゃ | 発酵されやすい糖質を含み、腸内環境の土台づくりに使いやすい |
| バナナ(青め) | レジスタントスターチを多く含む |
| りんご(少量) | ペクチンを含み、発酵性食物繊維として働く可能性 |
| キウイ(少量) | 食物繊維を含み、腸の動きをサポートする素材 |
菌のリレーを支える「裏方」栄養素
| 食材 | 注釈 |
|---|---|
| 豚肉(赤身) | ビタミンB1を含み、短鎖脂肪酸産生の流れを支える可能性 |
| 大豆製品(豆腐・おから) | 食物繊維とたんぱく質を同時に補える |
| ごま(すりごま) | ビタミンB群やミネラルを含み、腸内代謝の補助役 |
【まとめ】短鎖脂肪酸ダイエットの本質
短鎖脂肪酸は、食物繊維をエサに腸内細菌が作り出す物質で、
・脂肪の蓄積を抑える方向に働く
・食欲や代謝に関わるホルモン分泌を支える
など、ダイエットを内側から助ける仕組みに関与していることがわかっています。
重要なのは、短鎖脂肪酸を腸内で無理なく作られる環境を整えることです。
そのためには、短鎖脂肪酸を作る菌を含む食材を取りつつ、菌を増やすための補助的な食材を日常の食事に少しずつ組み込む、という考え方が基本になります。
なおみさん
「体を追い込むより、整える方が続きそうですね。」

まずは「太りにくい体質」を作って土台を整えると、余分な脂肪を落とせるんですね!

